オリックスカーリース「車がもらえる」プランの隠れた実費:名義変更と税金の落とし穴
オリックスカーリースの「いまのり」シリーズで契約を最後まで続けると、乗っていた車がそのまま無償で自分のものになります。
しかし、車をもらうための手続きが「完全に無料」というわけではありません。車検証の持ち主をオリックス自動車から自分に変更する「名義変更の事務手数料」はオリックスが負担してくれます。
しかし、車を自分のものにして公道を走り続けるためには、リサイクル料金、車検時の自動車重量税、自賠責保険料といった税金や保険料を、ユーザー自身が実費で支払う必要があります。また、引越しをしている場合は車庫証明の取り直し費用やナンバープレートの変更費用も自己負担となります。

この「最後に発生する持ち出し費用」を事前に知っておくことが、後悔しないカーリース選びの最大のポイントです。
- オリックスカーリースの「車がもらえる」プランの基本の仕組み
- 車をもらうとき、オリックス自動車が負担してくれる費用の範囲
- 契約が終わったあとにユーザー自身が実費で支払う税金と費用の内訳
- 「車検無料クーポン」で無料になるものと、実費になるものの違い
- オリックスカーリースならではの独自のルール(走行距離や解約について)
オリックスカーリースで車がもらえる仕組み
オリックスカーリースが提供している個人向けのカーリースは、契約した期間が終わったあとに「乗っていた車がそのまま自分のものになる」という仕組みが最大の魅力です。まずは、このプランの基本的なルールについてわかりやすく解説します。
いまのりシリーズの契約プランごとの違い
オリックスカーリースのメイン商品である「いまのり」シリーズには、契約する年数によっていくつかのプランが用意されています。代表的なプランは以下の通りです。
| プラン名 | 契約期間 | 特徴 |
| いまのりイレブン | 11年 | 月々の支払いを最も安く抑えられる長期プラン |
| いまのりナイン | 9年 | 長く乗りつつ、支払いのバランスが取れたプラン |
| いまのりセブン | 7年 | 比較的早めに車を自分のものにできるプラン |
これらのプランを最後まで契約し続けると、最終的に車が無償で譲り渡されます。リース期間中の毎月の支払いには、車の本体価格だけでなく、登録時の手数料、毎年の自動車税(種別割)、自賠責保険料などがすべて含まれています。そのため、契約中はまとまったお金を用意する心配が少なく、家計の管理がしやすいというメリットがあります。
残価精算がないメリットと譲渡の条件
車をもらうことができるプランのもう一つの大きなメリットは、「残価精算(ざんかせいさん)」の心配が一切ないことです。
一般的なカーリースでは、契約が終わって車を返すときに車の価値を査定します。その際、車に傷やへこみがあったり、車の価値が予定よりも下がっていたりすると、追加で支払い(残価精算)を求められることがあります。しかし、オリックスカーリースの「車がもらえる」プランでは、最終的に車を返す必要がありません。そのため、傷やへこみによる違約金が発生することもなく、自分の車と同じように気楽に乗ることができます。
▶ 参考記事:カーリースの残価設定の仕組みと残価精算の注意点はこちら
契約満了時の名義変更費用:オリックスが負担する範囲
契約が終わって車を自分のものにする際、車検証に書かれている「車の持ち主(所有者)」を、オリックス自動車からユーザー自身の名前に書き換える手続きが必要です。この手続きにかかる費用について、どこまでが無料になるのかを確認していきましょう。
所有権を移す「所有者名義変更費用」は無料
結論から言うと、契約期間が終わったあとの「所有者名義変更費用」は、オリックス自動車が全額負担してくれます。
この費用は、陸運局(運輸支局)などの役所で行う事務手続きの手数料のことです。車をもらうための基本的な手続き費用をリース会社が支払ってくれるため、ユーザーが自分で複雑な書類作成の手数料を負担する手間が省けます。
無料になるための条件(住所変更がない場合)
ただし、オリックス自動車が費用を負担してくれるのには条件があります。それは「リース契約をしたときから住所(車を使う場所)が変わっていないこと」です。
車検証に記載されている住所から変更がなく、純粋に「車の持ち主の名前だけをオリックスから自分に変える」というシンプルな手続きであれば、名義変更の手数料は無料になります。もし引越しなどをしている場合は、後ほど解説する追加費用が発生しますので注意してください。
ユーザーが実費で支払う税金と保険料の落とし穴
名義変更の事務手数料はオリックス自動車が負担してくれますが、車を完全に個人の持ち物として公道で走り続けるためには、避けて通れない「実費」が存在します。ここからは、ユーザー自身が自分の財布から支払わなければならない税金や保険料について詳しく解説します。
譲渡時に発生するリサイクル料金の仕組み
車をもらうときに必ず支払わなければならない実費のひとつが「リサイクル料金」です。
リサイクル料金とは、将来その車を廃車にするときに発生するゴミ(エアコンのフロンガスやエアバッグなど)を処理するための費用です。法律によって、原則として新車を買うときに支払うことが義務付けられています。
カーリースの場合は、新車として登録されたときに、オリックス自動車がこのリサイクル料金を立て替えて支払っています。しかし、契約が終わって車をもらうということは、中古車として車を買い取るのと同じ扱いになります。そのため、次の持ち主となるユーザーが、オリックス自動車に対してリサイクル料金を支払わなければならないのです。
| 車の種類 | リサイクル料金の目安 |
| 普通車 | 6,000円〜18,000円程度 |
| 軽自動車 | 普通車と同等の金額(車種による) |
このリサイクル料金は車をもらうタイミングで一括で支払う必要があるため、あらかじめ準備しておきましょう。
車検時の自動車重量税は実費負担
もうひとつの大きな実費が「自動車重量税」です。車の重さに応じてかかる国への税金であり、車検を通すときに必ず支払わなければなりません。
リース契約の期間中は、毎月の定額料金の中にこの自動車重量税が含まれていました。しかし、契約が終わって車をもらったあとは、当然ながらこの税金はユーザー自身の負担に切り替わります。

オリックス自動車は「車検時の重量税はお客様負担となります」とはっきりとルールに定めています。
自賠責保険料の更新費用
自動車重量税と同じく、車検のタイミングで必ず支払う必要があるのが「自賠責保険料(強制保険)」です。
これもリース期間中は月額料金に含まれていましたが、車をもらったあとは次回の車検期間分(通常は2年間分)の保険料を自分で支払って更新しなければなりません。
重量税と自賠責保険料を合わせると、数万円というまとまったお金が必要になります。車をもらった直後に車検のタイミングが来ることも多いため、「もらえるからタダだと思っていたのに、税金で数万円飛んでいった」という後悔をしないよう、事前に資金を確保しておくことが大切です。
▶ 参考記事:カーリースと現金一括・マイカーローンの総支払額の比較
ユーザーが実費で支払う登録変更費用の注意点
税金や保険料のほかに、リース契約中から生活環境が変わっている場合には、車の登録に関する追加費用もユーザーの自己負担となります。とくに引越しをした方は注意が必要です。
引越しをした場合の車庫証明取得費用
リースを契約したときから住所が変わっている場合、新しい住所を管轄する警察署で、新たに「車庫証明(自動車保管場所証明書)」を取り直す必要があります。
オリックス自動車のルールでは、こうした住所移転などに伴う車庫登録の変更費用は、すべてお客様(ユーザー)の負担になると決められています。自分で警察署に行って手続きをする場合でも、手数料として証紙代がかかります。
| 手続きの方法 | 車庫証明取得にかかる費用の目安 |
| 自分で警察署に行って手続きする場合 | 2,000円〜3,000円程度の手数料7 |
| 行政書士や販売店に代行を依頼する場合 | 上記に加えて数千円〜1万円程度の代行費用7 |
平日お仕事で警察署に行けない場合などは、代行業者に頼むことになり、さらに費用がかさむことになります。
管轄が変わる場合のナンバープレート変更費用
引越しによって管轄の役所(運輸支局)が変わった場合、たとえば「品川ナンバー」の地域から「横浜ナンバー」の地域に引っ越したようなケースでは、名義変更と一緒にナンバープレートも新しくしなければなりません。
このナンバー変更にかかる費用も、オリックス自動車が負担することはなく、ユーザーの自己負担となります。
| ナンバープレートの種類 | 変更費用の目安 |
| 通常のペイント式ナンバー | 1,500円〜2,000円程度8 |
| 希望ナンバーや図柄入りナンバー | 4,000円〜8,000円程度(地域により異なる)8 |
このように、引越しをしているだけで「車庫証明」と「ナンバー変更」のダブルで実費がかかってしまうことを覚えておきましょう。
車検無料クーポンの適用範囲と実費の切り分け
オリックスカーリースの「いまのり」シリーズでは、契約期間が終わって車をもらう際に、「車検無料クーポン」というとても嬉しい特典がもらえます。しかし、この「無料」という言葉には少し注意が必要です。
クーポンで無料になる基本点検整備費用
この車検無料クーポンを使えば、車検を通すために整備工場で行う点検や作業の費用が無料になります。具体的には以下のようなものが含まれます。
- 基本点検整備費用(車をチェックするための基本的な工賃)
- 総合検査料や代行料、印紙代
- エンジンオイルやオイルエレメントの交換
- タイヤのローテーション(位置交換)
- バッテリー液やウォッシャー液の補充
- ブレーキオイルや冷却水(クーラント)の交換
通常、お店に車検を頼むと、こうした点検費用や作業工賃だけで数万円かかってしまいます。これがクーポンで無料になるのは、非常に大きな節約になります。
法定費用(税金・保険料)との明確な違い
気をつけなければならないのは、このクーポンがカバーしているのはあくまで「整備工場に払う作業代」だけだということです。
先ほどご説明した「自動車重量税」や「自賠責保険料」といった、国に納める義務があるお金(これを法定費用と呼びます)は、クーポンの対象にはなりません。
ここを勘違いして「車検無料クーポンがあるから、車検のときはお財布を持っていかなくても大丈夫」と思ってしまうと、いざ車検を受けたときに税金分の数万円を請求されて慌てることになります。

クーポンがあっても、税金や保険料の支払いは必ず発生するということをしっかり頭に入れておきましょう。
▶ 参考記事:オリックスカーリースのメンテナンスパックの実態と注意点
オリックスカーリース固有の独自ルール
ここまで、車をもらうときの実費についてお話ししてきました。ここからは、オリックスカーリースを検討するなら絶対に知っておきたい「独自のルール」について解説します。他のリース会社とは少し違う部分ですので、しっかり確認してください。
月間2,000kmの走行距離制限と超過時の精算ルール
カーリースには、車の価値を保つために「ひと月に走っていい距離」の制限が決められているのが一般的です。オリックスカーリースの「いまのり」シリーズは、この制限が「月間2,000km」と非常に長く設定されています。1年間で24,000kmも走れるため、ドライブが好きで長距離を走る方にはとても心強い設定です。
ただし注意点があります。最後まで契約を続けて「車をもらう」場合は、どれだけ距離を走っていてもペナルティはありません。しかし、途中で解約して「車を返す」選択をした場合、この走行距離の制限を超えていると追加料金を支払う必要があります。
オリックスカーリースのルールでは、制限距離を超過して車を返却した場合、「1kmあたり8円」の追加費用が発生します。。たとえば、トータルで制限距離を5,000kmオーバーして車を返却したとします。その場合、5,000km × 8円 = 40,000円の追加料金を清算しなければなりません。車を返す可能性がある場合は、この「1kmあたり8円」という数字を覚えておいてください。
▶ 参考記事:カーリースの走行距離制限の一般的な相場やペナルティの仕組み
いまのりシリーズの中途解約不可期間
カーリースは原則として、契約の途中で解約することができません。どうしても解約したい場合は、残りの期間の料金などをまとめた高額な違約金を支払う必要があります。
しかし、オリックスカーリースの「いまのり」シリーズには、「一定の期間が過ぎれば、違約金なしで自由に車を返したり、新しい車に乗り換えたりできる」という特別なルールがあります。
| プラン名 | 違約金なしで乗り換え・返却ができるタイミング |
| いまのりイレブン(11年契約) | 契約開始から 9年 が経過したあと3 |
| いまのりナイン(9年契約) | 契約開始から 7年 が経過したあと3 |
| いまのりセブン(7年契約) | 契約開始から 5年 が経過したあと3 |
このルールは非常に便利ですが、裏を返せば「この期間が経過する前(中途解約不可期間)に解約すると、通常通り高額な違約金がかかる」ということです。結婚や出産、転勤など、数年以内にライフスタイルが大きく変わるかもしれない方は、「何年後から自由に解約できるのか」をしっかり計算してプランを選ぶ必要があります。
▶ 参考記事:カーリースの中途解約による規定損害金やリスクの回避策
▶ 参考記事:オリックスカーリースはやめとけ?デメリットと罠を徹底解説
最後に確認したいオリックスカーリースの審査基準
車をもらうプランの魅力や実費について理解できたら、最後に避けて通れない「審査」についても知っておきましょう。オリックス自動車は、申し込みの際に独自の審査を行っています。
独自審査と連帯保証人の活用
カーリースの審査では、年収や現在のお仕事の状況、過去にクレジットカードの支払いが遅れていないか(信用情報)などをチェックされます。オリックス自動車は自社で金融サービスを持っているため、独自の基準で審査を行っています。
もし、パートやアルバイト、専業主婦の方などで「自分の収入だけでは審査に通るか不安」という場合でも、諦める必要はありません。安定した収入のあるご家族などに「連帯保証人」になってもらうことで、審査に通る可能性を大きく引き上げることができます。
▶ 参考記事:カーリースの審査に通るための連帯保証人の正しい立て方
▶ 参考記事:カーリースの審査を突破するロードマップと審査落ちの対策
まとめ
オリックスカーリースの「いまのり」シリーズは、契約期間が終わったあとに残価精算なしで車がもらえる、とても魅力的なプランです。しかし、「すべてが完全無料でもらえるわけではない」という事実を忘れないでください。
- オリックスが払ってくれるもの: 名義変更の手続きにかかる基本的な事務手数料
- あなたが実費で払うもの: リサイクル料金、車検時の自動車重量税、自賠責保険料
- 引越し等をしている場合にかかるもの: 車庫証明の取り直し費用、ナンバープレートの変更費用
車をもらうタイミングに合わせて、数万円単位の税金や保険料の実費がかかることを最初から知っておけば、あとから「だまされた!」と後悔することはありません。ローンで購入する場合とのトータルの支払額をしっかり比較し、メリットと注意点の両方を納得したうえで、ご自身にぴったりのカーリースを選んでください。
▶ 参考記事:オリックスカーリースの評判・口コミまとめと辛口レビュー
よくある質問
車をもらうときに傷やへこみがあったら修理代を請求されますか?
いいえ、請求されません。車をもらう(譲り受ける)選択をした場合、車をオリックス自動車に返す必要がないため、傷やへこみによる違約金や修理代を払う必要はありません。そのままの状態で、自分の車として乗り続けることができます。
契約期間中に引越しをした場合、車をもらうときの手続きはどうなりますか?
車検証に書かれている住所(使用の本拠の位置)から引越しをしている場合、名義変更の手続きと一緒に、新しい住所での車庫証明の取り直しやナンバープレートの変更が必要になります。この場合、基本的な名義変更手数料はオリックスが負担しますが、車庫証明の取得費用やナンバー変更費用はすべてユーザーの自己負担となりますのでご注意ください。
車検無料クーポンを使えば、車をもらうときの費用はまったくかからないのですか?
いいえ、費用はかかります。車検無料クーポンで無料になるのは、整備工場で行う点検作業の費用(基本点検整備費用やオイル交換代など)だけです。車検を通すために国へ納める必要がある「自動車重量税」と「自賠責保険料」、そして「リサイクル料金」はクーポンの対象外となるため、数万円の実費をユーザー自身で支払う必要があります。
